相続税の申告期限は10か月|過ぎたらどうなる?間に合わないときの対処
相続税の申告と納付の期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。通常は亡くなった日の翌日から数えます。期限を過ぎると、本来の税金に加えて無申告加算税や延滞税がかかり、一部の特例が使いにくくなることもあります。
ただし、期限を過ぎてしまっても、早めに自分から申告すれば負担は軽くなります。この記事では、期限の数え方、過ぎた場合のペナルティ、間に合わないときの対処を、1966年創業の堺市の税理士法人ユーマス会計が解説します。
相続税の申告期限は、いつまでですか?
相続税の申告期限は、被相続人(亡くなった方)の死亡を知った日の翌日から10か月以内です。 納税の期限も同じ日です。期限の日が土曜・日曜・祝日にあたる場合は、その翌平日が期限になります。
たとえば、2026年4月10日に亡くなり、その日に死亡を知った場合、申告と納税の期限は2027年2月10日です。
申告書は、被相続人の死亡時の住所地を担当する税務署に提出します。相続人が遠方に住んでいても、提出先は被相続人の住所地の税務署です。
10か月の間に、ほかにどんな期限がありますか?
相続税の申告より前に、相続放棄(3か月)と準確定申告(4か月)の期限があります。 相続税の申告だけを意識していると、先に来る期限を逃してしまうことがあります。
| 期限 | 手続き | 内容 |
|---|---|---|
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認 | 借金が多い場合などに、家庭裁判所へ申し立てる |
| 4か月以内 | 準確定申告 | 亡くなった方のその年の所得税を、相続人が申告する |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納付 | 相続財産が基礎控除額を超える場合に申告する |
2026年4月10日に亡くなった例では、相続放棄の期限は7月10日、準確定申告は8月10日、相続税の申告は2027年2月10日です。
10か月は長く見えますが、葬儀や四十九日、役所への届け出を済ませてから書類集めを始めると、残り時間は思ったより短くなります。相続人の確定、財産の洗い出し、遺産分割の話し合いまで考えると、余裕はあまりありません。
必要な書類と集める順番は、別の記事で一覧にしています。
▶︎関連記事:相続税申告の必要書類を一覧で解説|集める順番と取得先を堺の税理士法人が整理
申告期限を過ぎると、どうなりますか?
期限を過ぎると「無申告加算税」と「延滞税」がかかります。 税務署の調査を受けてから申告した場合、無申告加算税の割合は次のとおりです(2024年1月1日以後に法定申告期限が来るもの)。
| 納める税額のうち | 調査の事前通知の前に自主的に申告 | 事前通知の後、調査の前に申告 | 調査を受けた後に申告 |
|---|---|---|---|
| 50万円までの部分 | 5% | 10% | 15% |
| 50万円を超え300万円までの部分 | 5% | 15% | 20% |
| 300万円を超える部分 | 5% | 25% | 30% |
※国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」(所得税の解説)の割合をもとに作成。無申告加算税の割合は国税通則法で定められており、相続税にも同じ区分が適用されます。過去に無申告加算税などを課されている場合は、割合が加重されることがあります。
延滞税は、納期限の翌日から納める日までの日数に応じてかかります。2026年(令和8年)中の割合は、納期限の翌日から2か月以内が年2.8%、それ以降は年9.1%です(国税庁「No.9205 延滞税について」)。
表のとおり、調査の前に自分から申告すれば、無申告加算税は5%に下がります。期限を過ぎたと気づいたら、1日でも早く申告することが負担を抑えるいちばんの方法です。
期限を過ぎても、加算税がかからない場合はありますか?
法定申告期限から1か月以内に自主的に申告し、一定の要件を満たせば、無申告加算税はかかりません。 要件は、納めるべき税金の全額を納期限までに納めていることなどです。
また、財産を意図的に隠して申告しなかったと判断されると、無申告加算税の代わりに、より重い重加算税がかかります。うっかり遅れた場合と、隠そうとした場合では、扱いがまったく違います。
遺産分割が期限までにまとまらないときは、どうすればいいですか?
遺産分割がまとまっていなくても、期限は延びません。いったん未分割のまま申告し、分割が決まってから申告し直します。 未分割の財産は、民法の相続分に従って取得したものとして計算します。
未分割の申告では、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が使えません。そのため、特例を使う場合より多い税金を、いったん納める必要があります。
ただし、申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付しておけば、期限から3年以内に分割できた場合に特例を受けられます。分割の日の翌日から4か月以内に「更正の請求」をすると、納めすぎた税金が戻ります(国税庁「No.4208 相続財産が分割されていないときの申告」)。
期限に間に合わせるには、何から始めればいいですか?
まずは「相続税の申告が必要かどうか」を早めに判定することです。 財産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかどうかで、申告の要否が決まります。
- 亡くなってから1か月以内:戸籍を集めて相続人を確定し、通帳や郵便物から財産の全体像をつかむ
- 3か月以内:借金が多くないかを確認し、相続放棄が必要かを判断する
- 4か月以内:亡くなった方に所得があれば、準確定申告をする
- 6か月ごろまで:財産の評価を終え、遺産分割の話し合いを始める
- 10か月以内:遺産分割協議書を作り、申告と納税を済ませる
税理士に依頼する場合も、早いほど選択肢が広がります。期限直前だと、財産の評価を見直したり、特例の要件を確認したりする時間が限られます。
よくある質問
申告期限を延ばしてもらうことはできますか?
原則として延長はできません。災害などのやむを得ない理由がある場合は、期限の延長が認められることがありますが、遺産分割がまとまらないことは延長の理由になりません。未分割のまま期限内に申告しましょう。
相続税を期限までに一括で納められない場合は、どうすればいいですか?
一定の要件を満たせば、分割で納める「延納」や、財産そのもので納める「物納」を申請できます。申請には期限があり、担保の提供などが必要です。納税資金が足りなそうなときは、早めに税理士へ相談しましょう。
亡くなったことを後から知った場合、期限はどうなりますか?
期限は「死亡を知った日」の翌日から数えます。たとえば、疎遠だった親族の死亡を後から知った場合は、知った日の翌日から10か月以内が期限になります。
相続税の申告期限が近い方も、ユーマス会計にご相談ください
大阪府堺市を中心に、近畿エリア(大阪・兵庫・京都・和歌山)の相続税申告をサポートしています。
- 相続税の申告・相談、準確定申告、相続財産の評価、株価評価のご相談
- 1966年創業。相続相談に特化したチーム体制で、スピーディーに対応します
- ご自宅への訪問にも対応しています
- 初回相談(30分)は無料です
税理士法人ユーマス会計 - 所在地:大阪府堺市堺区市之町東3-2-18 ユーマスビル(阪堺線「大小路駅」徒歩3分/南海線「堺駅」徒歩13分) - 電話:072-221-1295(受付 9:00〜18:00) - メール:公式サイトのお問い合わせフォームから受け付けています
参考・出典
- 国税庁「相続税の申告のしかた(令和8年分用)」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/shikata-sozoku2026/index.htm
- 国税庁「No.2024 確定申告を忘れたとき」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm
- 国税庁「No.9205 延滞税について」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm
- 国税庁「No.4208 相続財産が分割されていないときの申告」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4208\_qa.htm
シェアする